そら。―HAPPY STORY―
夏休み間近ということもあり、今日も晴天に花がさらけ出されていた。
そして。
「あ、香」
彩られた花に佇む、天使のごとく微笑む夏美。
俺はきっと、夏美に溺れている。
だがそれでも構わない。
夏美に、これ以上ない愛しさを持っているのだから。
「…来てたのか」
「うん。ちょっと体調崩しちゃって。でも…」
小さく
消え入りそうな声で
『香に会いたかったから…』と彼女はつぶやいた。