そら。―HAPPY STORY―
桜が咲き始め恋香り
「なあなあ!クラスどうだったよ?」
俺の肩に、手が置かれた。クリスマスの時と同じ、綺麗な手だった。
くるりと振り返ってその手を振りほどき、俺は溜め息をついた。
「…お前にクラスを教えたところで、学年が違うだろうが」
「そりゃそうだけどさー。遊びに行ったりするじゃん?」
「来なくていい。余計な女がついてきそうだからな、お前の場合」
東中学校、無事(もなにもないのだが)進級。
俺は3年に、玲は2年になった。
同じ中学校のやつに、しかも後輩に声をかけられそこで知り合うなどというのも、おかしな話だが。
「にしても…本当香って顔だけだよな。性格どうにかなんないかな?」
「お前な…」