そら。―HAPPY STORY―
「…仕方ねえな。駒原のことだから」
舌打ち混じりに背を向ける、綺麗な髪をした香。
香だって髪の色が違うというのに、
不思議とみんなの中心にいた。
そしてお前は、俺を拾ったんだ。
警戒心むき出しの、超荒い猫を。
「はは、良かった。楽しもうぜ」
この“思惑”が、
香を傷つけることになるかもな。
でも、そうでもしないと、
昔より陰りのある香は
素直に笑えないと思うんだ―――。