そら。―HAPPY STORY―
ふと、気づいた。
「…玲。なんか大人っぽくなったか?」
「ん?」
クリスマスまでは、子供っぽく無邪気な顔をしていたが、何だか美形が増した感じだ。
身長も、俺と変わらないようだし、同じ歳に見えるかもしれない。
「成長期か。思春期もあるし、面倒臭い年頃だな」
「親みたいに言うなや。てか面倒臭いってヒドいな」
玲は笑っている。八重歯が見えるな…。
とりあえず、こいつは美形だ。高校になったらとんでもない人間になるかもしれない。
(俺は反抗期も何もないけどな…)
きっと周りの奴らは、思う存分自分の道を突き進み、親とぶつかるだろう。
それが…羨ましさを通り越して、溜め息が出てくる。