そら。―HAPPY STORY―
(高瀬夏美サイド)
「ぁっうう゛…」
鎖の、冷たい感触が伝わってきて、世界が凍った気持ちになった。
あたし、大丈夫かなあ…
将来は、立派な香のお嫁さんに、なれるかなあ…
ブランコに座った膝の上に、泣きながらも救われない、酷い顔をしたあたしの写真がある。
「…幸せだったな…」
でも、いっか。
香から、幸せをたくさんもらったから。
香、あたしね
玲くんを気にする香に、気づいていたよ
あたしが居なかったら
香は玲くんと
笑い合うことが出来たはずなのに