そら。―HAPPY STORY―
(井野崎玲サイド)
俺は香とわかれたあと、家に帰る気分でもなかったので、
そこら辺の街を歩いていた。
正直、自分には彼女など出来ない気がした。
香は冷めてる感じだが、お人よしだし妹思いだから、彼女はできると思っていた。
俺には、顔目当ての女しか近寄らないだろう。
思考がネガティブになってきてしまったせいか、ひとけのない路地裏に足を踏み入れていた
そんな自分に引いて、思わず踵を返そうと―――
「いやあぁっ!!」