そら。―HAPPY STORY―
浮かぶすれ違いとズレ
休日だった。
[宛]夏美
無題
ちょっと出かけないか?
----END----
世で言う、デートのお誘いというやつだ。
夏美が元気になるならば、というものだった。
夏美からの返信は「OK」で、駅で待ち合わせにした。
「お兄ちゃん、出かけてくるから。気をつけて留守番してろな?」
部屋を開けると、相も変わらず薄暗い。
向こう側で、ベッドの隅で光が頷くのを確認してから、俺は家を出た。