そら。―HAPPY STORY―
駅に着くと休日ということもあり、結構人が多かった。
夏美を探すのは至難の技…
かと思ったが、案外夏美の空気は分かるものである。
白いフワフワとしたワンピースに、少し巻いた栗色の髪。
…まあ、ナンパがこんな天使を放っておくわけがないんだが…。
少しずつ、近づいていく。
夏美はうろたえていた。気弱な女なのだ。
ナンパ野郎をどかし、さらっと夏美を連れ去っていく―――という想像をし。