そら。―HAPPY STORY―
「悪魔って。そんな香が天使に見えっかね~」
俺が思うに、純粋なのは玲の方だし、天使はあっちだろ。
見た目にしかキョーミねーのね。
あと体?
「…ケバい。化粧濃いし、香水臭いし、煙い。近づかないでくれねえ?」
「なんっ―――!」
俺は絡まれた腕を振りほどき、鼻で笑いそっぽを向いた。
玲も溜め息をする。
「じゃあ仕方ないな。ごめんねー話しかけちゃって」
珍しい感じだな…
普通なら、女の機嫌とるのに必死になったりするもんだけど…。
さっぱりしてる。
「ふん。サイッテー」
「ばいばあ~い」
玲は苦笑しながら女を見送った。
ふと、少しの罪悪感。