そら。―HAPPY STORY―
「…待てよ、香」
カフェを出たところで、
後ろから呼び止められた。
玲。
クールで生意気、だけど胸の奥底に情熱を宿す。
きっと来ると思っていた。
愛する人を―――宣言するために。
「……言っとくけど、夏美は
俺のだからな」
「…分かってるさ」
なあ、玲。
いくつも
いくつも
偶然が重なり合って、それなりに楽しいひと時だったよな。
だからって…
結末が破滅だなんて…
ないよな…