そら。―HAPPY STORY―
「…玲とは、クリスマスに会った、ただ一人の親友だよ」
ひとつの布団で、香は
あたしを抱きしめながら
ぽつぽつと話しはじめた。
「あいつの好きな女が、夏美だったなんてな…。本当びっくりだ」
香は空笑いをする。
悲しいんだ。
ただ一人の親友に、
裏切られた気がして。
あたしのせい、だよね…
(…絶対に、仲を戻すから)
あたしが、香の幸せな
日常を奪ってしまったのなら。
「…夏美…っ」
「…痛いよ、香……」
ねえ、ごめんね。
いくら謝っても
伝わらないよね。
消えないで。
ずっとずっと、この温もりを
あたしだけに…。