ゼロクエスト ~第2部 異なる者
第3章 魔物討伐(エリス編)
第1節 彼女の理由
「モンスター・ミストを破壊してほしい」
彼女――ルティナは、ごく普通の日常会話的な流れで、私たちにそう言ってきた。
「えーっと……じゃ、まあ、そういうことで」
私も同様に、ごく普通の自然な動作で踵を返したのだが、即座に背中の外衣(ローブ)フードを掴まれていた。
「おい待て。いきなり何故逃げるんだ」
「や……だって、何言っているのかよく分からないし」
「あんた、あたしの言っている意味が解らないのかい?」
その言葉に対して、私は深い溜息を吐かずにはいられなかった。
「じゃなくて、出来もしない依頼はお断りってことなのよ」
「そんなことはないだろう。これはあんたたちには簡単なはずだろ?」
さも当然といった表情で、ルティナはさらりと言ってのける。私は眉根を寄せた。
「何で私たちが?
私たちは一般的な、ごく普通の巡礼者なのよ。破壊できるわけないじゃない。
そんな簡単に壊れるものならば、他の誰かが既にやっているわよ」
彼女に向かってそう訴えた。ルティナは考え込みながらも、そんな私をまじまじと見詰める。
「確かに一見そう見えるが……しかし、あの結界を破ったのはあんたたちだろう?
ただの巡礼者がそんなことをできるはずがない」
「あ…」
私は先程の出来事を思い出した。
そういえば、アレックスがいとも簡単に破ってみせていたのだ。
彼女――ルティナは、ごく普通の日常会話的な流れで、私たちにそう言ってきた。
「えーっと……じゃ、まあ、そういうことで」
私も同様に、ごく普通の自然な動作で踵を返したのだが、即座に背中の外衣(ローブ)フードを掴まれていた。
「おい待て。いきなり何故逃げるんだ」
「や……だって、何言っているのかよく分からないし」
「あんた、あたしの言っている意味が解らないのかい?」
その言葉に対して、私は深い溜息を吐かずにはいられなかった。
「じゃなくて、出来もしない依頼はお断りってことなのよ」
「そんなことはないだろう。これはあんたたちには簡単なはずだろ?」
さも当然といった表情で、ルティナはさらりと言ってのける。私は眉根を寄せた。
「何で私たちが?
私たちは一般的な、ごく普通の巡礼者なのよ。破壊できるわけないじゃない。
そんな簡単に壊れるものならば、他の誰かが既にやっているわよ」
彼女に向かってそう訴えた。ルティナは考え込みながらも、そんな私をまじまじと見詰める。
「確かに一見そう見えるが……しかし、あの結界を破ったのはあんたたちだろう?
ただの巡礼者がそんなことをできるはずがない」
「あ…」
私は先程の出来事を思い出した。
そういえば、アレックスがいとも簡単に破ってみせていたのだ。