ゼロクエスト ~第2部 異なる者
―――それから約7分が経過した。



「……〜と、いうわけで〜エリスさんのところに〜合流できたのです〜」

「な……成る程」

彼の話を要約するとこうだった。

エドが行列へ並んでいると、横から何かが割り込んできて、いきなり突き飛ばされたのだという。

そのまま道路脇へ吹き飛ばされたエドが、直ぐさま身を起こして見てみると、なんと胸にナイフが刺さっているではないか!

だがそれは丁度、胸に下げていた楽器(ハープ)に突き立てられていた。

その直後、前で人の気配がしたので反射的に見上げると、黒ずくめの男が自分に向かって、更にナイフを突き立てようとする瞬間だったという。

一瞬でも気付くのが遅かったなら、確実に殺られていたらしい。

「それでエドは命からがら、私たちのところにまで逃げてきたというわけなのね」

「そうなのです〜。路地裏を滅茶苦茶に走り回っていたので〜攻撃も上手く避けられ〜何とか助かったようです〜。
それにこの村には〜路地が多くて〜不幸中の幸いでした〜。
その上〜運良く皆さんと合流できて〜良かったです〜」

「けどその行列の場所では、騒ぎにはならなかったの?」

「今さっき〜そこを通ってきましたが〜どうやら〜なってはいない様子でした〜。
恐らく〜誰も気付いていなかったんじゃ〜ないでしょうか〜。
僕でさえ〜気付く間もなく〜突き飛ばされていましたので〜」

エドは自分が殺されそうになったというのに、相変わらず明るい表情で音楽を奏でている。
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