ゼロクエスト ~第2部 異なる者
しばらく彼女を凝視していた私は、静かに口を開いた。
「ルティナ……それって、胸を張って言うことじゃないわよ」
瞬間、彼女はバツの悪そうな表情をする。そして直ぐに、半眼気味の私から視線を逸らした。
「あたしは以前、あんたと同じような症状の奴に会ったことがあるんだ。
あたしの勘が正しければ、あんたは奴と同じ理由で一時的に、術が使えなくなっているだけだと思う」
「それ、どういう意味?」
「あたしが口で説明しても、ソレに気付いていないあんたには理解できないだろう。
そういったものは、自分で気付いて直すよりほかないからさ」
ルティナの言っている意味こそ全く理解できなかったが、攻撃術が使えなくなった原因を知っているような口振りで話しているのは、間違いない。
私は勿論のこと、アレックスやエドの二人でさえ、腕に付けられた紋様を彼女には見せていないはずだ。
つまり、そのことを知っているわけがないのである。
「それよりあんたたち、例の場所へ着いたら宜しく頼むぞ」
ルティナは私たちを見回すと、念押しするように言ってきた。
「ルティナ……それって、胸を張って言うことじゃないわよ」
瞬間、彼女はバツの悪そうな表情をする。そして直ぐに、半眼気味の私から視線を逸らした。
「あたしは以前、あんたと同じような症状の奴に会ったことがあるんだ。
あたしの勘が正しければ、あんたは奴と同じ理由で一時的に、術が使えなくなっているだけだと思う」
「それ、どういう意味?」
「あたしが口で説明しても、ソレに気付いていないあんたには理解できないだろう。
そういったものは、自分で気付いて直すよりほかないからさ」
ルティナの言っている意味こそ全く理解できなかったが、攻撃術が使えなくなった原因を知っているような口振りで話しているのは、間違いない。
私は勿論のこと、アレックスやエドの二人でさえ、腕に付けられた紋様を彼女には見せていないはずだ。
つまり、そのことを知っているわけがないのである。
「それよりあんたたち、例の場所へ着いたら宜しく頼むぞ」
ルティナは私たちを見回すと、念押しするように言ってきた。