ゼロクエスト ~第2部 異なる者

第3節 空からの攻撃

「神風護壁(ヴィン・マオ・デュウ)!」

「エリスさん〜こちらです〜」

私は防御術を掛けながら、エドの後に続いた。そして付近に生えている樹木へと隠れる。

既に周囲は闇に包まれていた。

村周辺には大勢の術士がいるので非常に明るかったが、私たちは外れのほうまで来ているので、灯りは自分たちで用意するしかなかった。

私は光属性で作った光球をいくつか周囲にまとわりつかせ、光属性の武器を持つエドはそれを本体に灯しながら、二人とも慎重に歩みを進めていた。

当然、その間にも魔物には襲われている。

私は防御術で敵を弾き飛ばしては逃げるという行為を、その都度繰り返していた。

敵の不意をついて逃げるのは、かなり原始的なやり方である。

同じ敵には一回しか通用しないし、確実に逃げられる保障もないが、かなりの割合で成功率が高いのだ。

他人から見ればワンパターンな方法だとは思うが、私にとってはこれが最良の策なのである。

「……たく、次から次へと……」

一体これで、何度目になるだろうか。

私の息はもう既に切れ気味であったが、まだ文句を言うだけの余力は残っていた。
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