ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「ええと、確かエドと一緒に、走って逃げていたのよね」

私はわざと大きな声で確認してみた。声を出していないと、とてつもない不安感が襲ってくるような気がしたからだ。

「で、それからどうなったんだっけ?」

私は首を捻ってみた。

知らない間にエドと敵が消え、周囲が闇から白に変化している。

その原因を頭の中で探ってみたが、一向に解決できなかった。しばらくその場で考え込んでいた私だが。

「……仕方ない。エドを探すか」

考えても分からないのなら、先へ進むしかない。

そう判断した私は、樹木を辿りながら進むことにした。

恐らく先に行けば、エドと合流できるはずだ。

根拠のない一筋の希望を胸に抱きながら、私はそれを支えにゆっくりと歩き出していたのだが――。


不意に視界が広がる。

そこは辺り一面、赤や青、黄色に紫ピンクなど、色とりどりの名も知らない花が無数に咲き誇っていた。

気が付けば、周囲を取り巻いていた白濁色のものが消えている。
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