ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「ここはモンスター・ミストの中だ、外には簡単に出られない。
あんたとエリスは結界を破れないのだろう?」

「はい〜破れるのはアレックスさんだけです〜。
でも〜モンスター・ミストの中とは一体〜どういうことなのでしょうか〜?」

彼はあたしの問いに答えると、吃驚した表情で首を傾げている。

「まさか、気付いていなかったのか?
あんたたちは走って、この中へ入って来たんだぞ」

「そうだ、エド。確かに君たちは俺の呼びかけにも全く答えず、横を素通りしてこの中へと入っていった。
俺はそれを追いかけてきたのだ」

「えええぇぇ〜!?
本当ですか〜??
僕は〜敵に追いかけられて〜命からがら逃げていたのですが〜その時に隠れられそうな場所を〜何とか見つけ〜夢中でその中へ〜飛び込んで行きました〜。
敵から逃げるのに必死で〜アレックスさんたちのことなど〜全く気付かなかったです〜」

彼は裏返った声を上げ、更に驚いていた。この様子では本当に、気付いてなさそうだ。
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