ゼロクエスト ~第2部 異なる者
そして一呼吸置くと、続けて言った。
「この先には元凶である、強敵が潜んでいる。
そいつを倒すのはあたしの役目だ。
あんたたちは必要ない」
「む、それは何故だ?
俺も君と一緒に戦うぞ。
モンスター何とかという、魔物を引き寄せる得体の知れない霧から――そしてその原因である敵から、周囲の人々を守るのだ。
それを途中で放り出すことなど、英雄であるこの俺に出来るはずがない!」
拳を振り上げ、熱の籠もった瞳であたしを見据えてきた。
そういえば彼は昼間「世の人々を助けたいと願う…」などと、あたしのことで妙なことを言っていたような気がする。
「あんたは何か誤解をしているようだが、あたしは他人を守りたいだとか……生憎とそのような、偽善的な正義感は持ち合わせていない。
ただヤツに個人的な恨みがあるから、それで倒したいだけだ」
「個人的な恨み、ですか〜?」
「そうだ。あたしはヤツに両親を殺された。その復讐のためだけに動いている。
だからあんたたちの言うような、大層な理由なんて、一切ないんだよ」
あたしが淡々と話している間の彼らは一様にして、驚きと戸惑いの表情を浮かべていた。
だが構わずに言葉を続ける。
「この先には元凶である、強敵が潜んでいる。
そいつを倒すのはあたしの役目だ。
あんたたちは必要ない」
「む、それは何故だ?
俺も君と一緒に戦うぞ。
モンスター何とかという、魔物を引き寄せる得体の知れない霧から――そしてその原因である敵から、周囲の人々を守るのだ。
それを途中で放り出すことなど、英雄であるこの俺に出来るはずがない!」
拳を振り上げ、熱の籠もった瞳であたしを見据えてきた。
そういえば彼は昼間「世の人々を助けたいと願う…」などと、あたしのことで妙なことを言っていたような気がする。
「あんたは何か誤解をしているようだが、あたしは他人を守りたいだとか……生憎とそのような、偽善的な正義感は持ち合わせていない。
ただヤツに個人的な恨みがあるから、それで倒したいだけだ」
「個人的な恨み、ですか〜?」
「そうだ。あたしはヤツに両親を殺された。その復讐のためだけに動いている。
だからあんたたちの言うような、大層な理由なんて、一切ないんだよ」
あたしが淡々と話している間の彼らは一様にして、驚きと戸惑いの表情を浮かべていた。
だが構わずに言葉を続ける。