ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「それにあんたたちと元から馴れ合う気はないし、一緒に戦うつもりもない。
あたしに仲間なんて必要ない。
アレックス、あんたのことはこの結界を解いた時点で、既に用済みだしな」

もしかしたら失望させたかもしれない。

だがそれでいい。

そのほうが、こちらとしても好都合だ。

このまま一緒に行動していても、彼らはあたしにとって、邪魔な存在にしかならない。

ややしてから彼は難しい表情を崩さず、おもむろに口を開いた。

「例えそうであっても、君は俺たちの仲間だ。
その仲間が成し遂げようとしていることを手助けしないで、何が『仲間』と言えようか。
いざという時に窮地を救うのが、真の『パーティ(仲間)』というものであろう」

「おい待て。あたしの話を聞いていなかったのか?
いつからあたしが、あんたたちの仲間になったんだよ」

眉間に皺を寄せ、真剣な表情でおかしなことを言う男だ。

「む、違うのか?
『パーティ』とは共に協力し助け合い、深い絆で結ばれた信頼し得る、唯一無二の存在なのではないのか?」

小首を傾げながら不思議そうな表情で、こちらを見詰め返してくるアレックス。

それに対してあたしは重い何かが、全身へ徐々にのし掛かってくるような、そんな感覚を憶える。
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