ゼロクエスト ~第2部 異なる者
第4節 能力解放
「貴様だけでは話にならんな。俺はその女とも戦いたいのだがな」
そんな彼を尻目に、敵はこちらへ視線を向けながら言ってきた。
どうやら相手は、あたしのほうも一緒に倒すつもりらしい。
やはりこれ以上余計な時間を取らせないためにも、あたしが前へ出るしかないだろう。
そう判断したあたしは、意識を集中させるかのように深々と息を吐くと、アレックスの前へおもむろに一歩を踏み出した。
そんなあたしを見た彼が、慌てた様子で更に前へ飛び出してくる。
「ルティナ。ここは俺に任せて、君は先を急ぐのだ。
君は自分の成すべきことを、最優先させるのだ!」
あたしの前へ右手を広げ、再び肩越しから熱い眼差しを向けてくる。
この男、自分があたしの邪魔になっていることが分からないのか?
あたしは苛立つ気持ちを何とか抑えながら、諭すように静かな口調で言葉を発した。
「……アイツはあたしも指名している。あんただけでは役不足なんだとさ」
「そうですよ〜アレックスさん〜。相手は〜ルティナさんとも戦いたいのです〜」
「む……だがしかし」
「あたしなら大丈夫だ。それともあんた、『仲間』であるあたしが信じられないのかい?」
「仲間?」
「さっきあんたは『パーティ(仲間)とは、信頼し得る唯一無二の存在だ』とか言っていただろう。
今の行動は、その言葉と矛盾しているぞ」
「む……むむむ……???」
彼は途端に、苦悶の表情を浮かべた。
そんな彼を尻目に、敵はこちらへ視線を向けながら言ってきた。
どうやら相手は、あたしのほうも一緒に倒すつもりらしい。
やはりこれ以上余計な時間を取らせないためにも、あたしが前へ出るしかないだろう。
そう判断したあたしは、意識を集中させるかのように深々と息を吐くと、アレックスの前へおもむろに一歩を踏み出した。
そんなあたしを見た彼が、慌てた様子で更に前へ飛び出してくる。
「ルティナ。ここは俺に任せて、君は先を急ぐのだ。
君は自分の成すべきことを、最優先させるのだ!」
あたしの前へ右手を広げ、再び肩越しから熱い眼差しを向けてくる。
この男、自分があたしの邪魔になっていることが分からないのか?
あたしは苛立つ気持ちを何とか抑えながら、諭すように静かな口調で言葉を発した。
「……アイツはあたしも指名している。あんただけでは役不足なんだとさ」
「そうですよ〜アレックスさん〜。相手は〜ルティナさんとも戦いたいのです〜」
「む……だがしかし」
「あたしなら大丈夫だ。それともあんた、『仲間』であるあたしが信じられないのかい?」
「仲間?」
「さっきあんたは『パーティ(仲間)とは、信頼し得る唯一無二の存在だ』とか言っていただろう。
今の行動は、その言葉と矛盾しているぞ」
「む……むむむ……???」
彼は途端に、苦悶の表情を浮かべた。