ゼロクエスト ~第2部 異なる者
たった一匹の獲物へ群がる獣たち。
周囲の草木をも巻き込んで、一気に激しさを増しながら丸呑みしていく。
「……ぐっ」
あたしはその衝撃に耐えきれず、左眼を眼帯で押さえ付けながら、地面へ顔を擦りつけるかのようにうずくまっていた。
一度に解放したのだ。両手はもとより、全身にさえ力が入らなくなっていた。
しかしそれはほんの一時的なものだと、今までの経験上から知っている。
今は貧血のような症状が現れてはいるが、体力や気力と同様でやがて回復する。
あたしは霞む右眼を無理矢理細めると、倒れている敵のほうへ顔を向けた。
そこに生えていた草木は、獰猛な獣にでも食い散らかされたかのような痕跡を残し、一本の道筋のようになっていた。
奴の通った痕(あと)だ。
周囲の草木をも巻き込んで、一気に激しさを増しながら丸呑みしていく。
「……ぐっ」
あたしはその衝撃に耐えきれず、左眼を眼帯で押さえ付けながら、地面へ顔を擦りつけるかのようにうずくまっていた。
一度に解放したのだ。両手はもとより、全身にさえ力が入らなくなっていた。
しかしそれはほんの一時的なものだと、今までの経験上から知っている。
今は貧血のような症状が現れてはいるが、体力や気力と同様でやがて回復する。
あたしは霞む右眼を無理矢理細めると、倒れている敵のほうへ顔を向けた。
そこに生えていた草木は、獰猛な獣にでも食い散らかされたかのような痕跡を残し、一本の道筋のようになっていた。
奴の通った痕(あと)だ。