ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「君は瘴気に侵されていた。
俺がそれを中和して、影響力を一時的に防いでいる。
が、およそ3時間程度の効力しかない」
「え!? 防いでいる???」
「君の身体に、防御(ガード)用の薄い膜を張った」
私はその言葉で、自分の両手や体中を見回してみた。
それらが先程から何故かキラキラと輝いて見えていたが、もしかしたらこれがそうなのか。
「但し体内に瘴気が入り込まない代わりに、精霊術も使えない。
それにこれはあくまでも、瘴気を防御するためだけの処置だ。
外部からの攻撃を防ぐこともできない」
つまり今攻撃を受けてしまうと、防御さえもできないということなのか。
私は愕然とした。
精霊術を使えない精霊術士なんて――。
「あ……あなた一体、何を企んでいるわけ?」
「企む?」
「そうよ。術を封じて、その隙に私を一体、どうしようって言うの!?」
混乱しつつも精一杯張った私の虚勢に対して、魔物は少し吃驚したような顔付きを見せた。
しかし直ぐにまた元の険しい表情に戻る。
「どうもしない。ただ君を殺す理由がないだけだ」
それだけを言うとこちらを振り向きもせずに、そのまま前へ歩き出そうとする。
「ちょ…! それって、答えになっていないわよ!」
その返答に納得のいかない私は走り寄って、思わず彼の翼に触れようと手を伸ばした。
が。
雷のような轟音とともに、私は地面へと投げ出されていた。
俺がそれを中和して、影響力を一時的に防いでいる。
が、およそ3時間程度の効力しかない」
「え!? 防いでいる???」
「君の身体に、防御(ガード)用の薄い膜を張った」
私はその言葉で、自分の両手や体中を見回してみた。
それらが先程から何故かキラキラと輝いて見えていたが、もしかしたらこれがそうなのか。
「但し体内に瘴気が入り込まない代わりに、精霊術も使えない。
それにこれはあくまでも、瘴気を防御するためだけの処置だ。
外部からの攻撃を防ぐこともできない」
つまり今攻撃を受けてしまうと、防御さえもできないということなのか。
私は愕然とした。
精霊術を使えない精霊術士なんて――。
「あ……あなた一体、何を企んでいるわけ?」
「企む?」
「そうよ。術を封じて、その隙に私を一体、どうしようって言うの!?」
混乱しつつも精一杯張った私の虚勢に対して、魔物は少し吃驚したような顔付きを見せた。
しかし直ぐにまた元の険しい表情に戻る。
「どうもしない。ただ君を殺す理由がないだけだ」
それだけを言うとこちらを振り向きもせずに、そのまま前へ歩き出そうとする。
「ちょ…! それって、答えになっていないわよ!」
その返答に納得のいかない私は走り寄って、思わず彼の翼に触れようと手を伸ばした。
が。
雷のような轟音とともに、私は地面へと投げ出されていた。