ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「……端的に述べればそうだ。
それにそこから簡単に予測できる事態としては、瘴気に汚染された人々に恐怖心、或いは破壊衝動などが芽生え、町を焼くなどの暴力的行為が横行されるかもしれないということだ。
更にそこへ下位クラスの奴らなども加われば、最悪の状況に陥ってしまうのは必須」

そんな話だけを聞いていても、直ぐにはピンと来なかった。

しかしこのまま行くと、大変な事態になってしまうだろうことだけは、何となく分かる。

「でも何だってこんなことに?
あなたの話では、今まで浄化をしていたんでしょう?」

「そうだ。上手くいけばあと1〜2日以内で完了する予定だった。
が、これは君が招いた事態でもある」

「私?」

「君があの者を招き寄せたのだろう?」

魔物はそう言うと、私の足下に目線を落とした。

私も釣られてそれを辿る。
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