ゼロクエスト ~第2部 異なる者
第3節 温泉の村
アクニカ村は山間にある、比較的大きな温泉郷だった。
水の社も近くにあるので巡礼者だけでなく、観光目的の旅行者なども立ち寄ることが多い。そのため、かなり賑わっているという話だった。
翌日の昼過ぎ。
道中では魔物数匹程度に襲われただけで、ほぼ予定通りに私たちはアクニカ村へ到着していた。
村の中へ入ると早速私たちは、散歩中らしき飼い犬の歓迎を受けた。
つまり激しく吠えられたのである。
だがいつものことなので気にしない。正確に言えば吠えられたのは、フードを目深に被った姿のディーンだけであるが。
「びぇぇぇぇぇっ!」
今度は入口付近に立っていた幼い男の子が、ディーンの姿を見るなり大声で泣き出していた。
側にいた母親らしき女性はその男の子を抱きかかえると、慌てた様子で目を伏せながら私たちの側を足早に立ち去っていった。この異様な格好と全身から醸し出される雰囲気のせいだが、それもいつものことだ。
「そういえばディーンには、赤ちゃんがいるのよね。その子はディーンのことを怖がったりはしないの?」
私はこの前から疑問に思っていたことを、何気なく口にした。
年端のいかない子供には必ず怯えられ、泣かれるのである。自分の子供ではどうなのか、何となく気になったのだ。
水の社も近くにあるので巡礼者だけでなく、観光目的の旅行者なども立ち寄ることが多い。そのため、かなり賑わっているという話だった。
翌日の昼過ぎ。
道中では魔物数匹程度に襲われただけで、ほぼ予定通りに私たちはアクニカ村へ到着していた。
村の中へ入ると早速私たちは、散歩中らしき飼い犬の歓迎を受けた。
つまり激しく吠えられたのである。
だがいつものことなので気にしない。正確に言えば吠えられたのは、フードを目深に被った姿のディーンだけであるが。
「びぇぇぇぇぇっ!」
今度は入口付近に立っていた幼い男の子が、ディーンの姿を見るなり大声で泣き出していた。
側にいた母親らしき女性はその男の子を抱きかかえると、慌てた様子で目を伏せながら私たちの側を足早に立ち去っていった。この異様な格好と全身から醸し出される雰囲気のせいだが、それもいつものことだ。
「そういえばディーンには、赤ちゃんがいるのよね。その子はディーンのことを怖がったりはしないの?」
私はこの前から疑問に思っていたことを、何気なく口にした。
年端のいかない子供には必ず怯えられ、泣かれるのである。自分の子供ではどうなのか、何となく気になったのだ。