ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「この者はルティナを追ってきた刺客か?」
「ルティナ?
いいえ私……私たちを襲ってきたのよ」
「君たち? それは『精霊の加護を受けし者』ということか?」
私は無言で頷いた。
『私たち』の中には、アレックスも含まれている。嘘は付いていない。
「それはサラの差し金なのか?」
「サラ……なのかどうかは分からないわ、そこまでは訊かなかったし。
それよりこの魔物は、どうしてこうなったの?」
傍から見れば、私たちが落ち着いて話し込んでいるように見えるかもしれない。
しかしこうしている間にも、翼の魔物は霧の球と繋がっており、引き続き何かの作業をしているようだった。
その甲斐があるのかどうかは分からないが、球は先程膨張して以降はこれ以上大きくなる様子もなく、小康を保っているような状態だ。
しかしいつまた拡大するかは分からない。油断は禁物だった。
「濃度の高い瘴気は、ヒトにとっては毒にしかならない。
しかし魔族には大気中にある精霊力と同様、術発動用のエネルギーへ変換される」
「ルティナ?
いいえ私……私たちを襲ってきたのよ」
「君たち? それは『精霊の加護を受けし者』ということか?」
私は無言で頷いた。
『私たち』の中には、アレックスも含まれている。嘘は付いていない。
「それはサラの差し金なのか?」
「サラ……なのかどうかは分からないわ、そこまでは訊かなかったし。
それよりこの魔物は、どうしてこうなったの?」
傍から見れば、私たちが落ち着いて話し込んでいるように見えるかもしれない。
しかしこうしている間にも、翼の魔物は霧の球と繋がっており、引き続き何かの作業をしているようだった。
その甲斐があるのかどうかは分からないが、球は先程膨張して以降はこれ以上大きくなる様子もなく、小康を保っているような状態だ。
しかしいつまた拡大するかは分からない。油断は禁物だった。
「濃度の高い瘴気は、ヒトにとっては毒にしかならない。
しかし魔族には大気中にある精霊力と同様、術発動用のエネルギーへ変換される」