ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「話は大体分かったわ。でもそれなら何で、あの魔物たちは平気なの?」

私は上空を指さした。

球体の真上付近で黒や白い目玉が5〜6体ほど、群れを成して浮かんでいる。

先程からずっとここに居るのだが、瘴気に侵されている様子はない。

それに私を保護しているようなものも、見当たらなかった。

「アレらは俺が使役している傀儡(かいらい)『ドラゴンの瞳』」

能力のある中位クラス以上の魔物は、自ら意図的に魔物を作り出すことができる。

それは使役目的が主な理由らしい。

例えばスケルトン・キラーがそうだ。

その場合は元となる素材が人骨であるが、『ドラゴンの瞳』というネーミングからすると。

「まさかアレって、素材がドラゴンとか?」

私は目玉に視線を傾けたままで、何気なく魔物に尋ねていた。

「正確に言えば、ドラゴンの眼だ」

(そのまんまかいっ!)

魔物相手に、思わずツッコミを入れそうになってしまった。
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