ゼロクエスト ~第2部 異なる者
恐らく外だ。

私はいつの間にか『外』へ出ていたのだ。





「う……」

その呻くような声で視線を戻すと、アレックスとエドの二人が並ぶように倒れていた。

「エド、アレックス」

私は這うようにして、二人の側へ近付いていく。

エドは完全に気を失っているようだった。

先程のような安らかさはなく、苦悶の表情に変化していた。

しかし呼吸のほうは安定しているので、多分心配はいらないだろう。

アレックスも同様に険しい顔で倒れている。しかしこちらには、意識があるようだ。



「エリス……君は……」

彼は億劫そうに片目を開けると、呻くように苦しそうな表情で視線だけを傾けた。

「私なら大丈夫。それより」



禍々しい気配。

これは―――。



私の目は、元凶である黒い球体を捉えていた。

先程よりも大きくなっているような気がする。

宙に浮いていたはずの下先端部が、今では地面にめり込んでいた。

あたかも最初からそこへどっしりと、根を下ろしているかのようにも見える。
< 229 / 298 >

この作品をシェア

pagetop