ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「大変なこと?」
「今は詳しい説明をしている時間がないわ。
ともかく今動けるのは私だけなんだから、あんたは私がその役目を果たすまで、ここでしっかりと見届けていて」
私はそう言うと、まだ何かを言いたげな表情の彼を残し、急ぐようにその場を離れた。
だがその前に、ルティナを救出しなければならない。
瘴霊の種の直ぐ側で倒れているのだ。直に影響を受けているのは間違いないだろう。
先程ゼリューと戦っていた時には、特に変わった様子もなく、普通の状態にしか見えなかった。
しかし今思うにあれは、アレックスと同じように痩せ我慢をしていたに違いない。
後から考えてみれば、彼女ほどの腕を持つ術士が、素人同然の戦い方をするはずがないのだ。
私は倒れている彼女の足下付近へ近寄ると、両足首を抱えて地面を引き摺るように移動させていく。
成人男性であれば抱きかかえて運ぶこともできるのだろうが、力のない私にはこれが精一杯だった。
私がその作業をしていると森側のほうでは、何かの動く気配と、獣の唸り声のようなものを感じた。
一瞬背筋が寒くなる。
だが勇気を出し、その方向へ顔を向けてみる。
「今は詳しい説明をしている時間がないわ。
ともかく今動けるのは私だけなんだから、あんたは私がその役目を果たすまで、ここでしっかりと見届けていて」
私はそう言うと、まだ何かを言いたげな表情の彼を残し、急ぐようにその場を離れた。
だがその前に、ルティナを救出しなければならない。
瘴霊の種の直ぐ側で倒れているのだ。直に影響を受けているのは間違いないだろう。
先程ゼリューと戦っていた時には、特に変わった様子もなく、普通の状態にしか見えなかった。
しかし今思うにあれは、アレックスと同じように痩せ我慢をしていたに違いない。
後から考えてみれば、彼女ほどの腕を持つ術士が、素人同然の戦い方をするはずがないのだ。
私は倒れている彼女の足下付近へ近寄ると、両足首を抱えて地面を引き摺るように移動させていく。
成人男性であれば抱きかかえて運ぶこともできるのだろうが、力のない私にはこれが精一杯だった。
私がその作業をしていると森側のほうでは、何かの動く気配と、獣の唸り声のようなものを感じた。
一瞬背筋が寒くなる。
だが勇気を出し、その方向へ顔を向けてみる。