ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「人が集まっているようだが、この村で何かあるのか?」
「あんた、知らないのかい。これからあの中心にいる騎士様たちが、何か大事なことを発表するらしいんだ」
男性は視線を逸らしながら早口でそれだけを答えると、逃げるように人混みの中へ消えていった。それを見送った後、ディーンは私たちのほうへ顔を向ける。
「どうやら騎士がこの村で、何か重大な発表をするらしいな」
「重大な発表とは何でしょうか〜。非常に気になります〜。では早速見に行きましょう〜」
エドの顔がぱあっと明るく輝いたと思った瞬間、有無を言わさず手を繋いだままの私と共に、群衆の中へと突っ込んでいったのである。
「ちょ……っ! エド!?」
慌てた私の声は喧騒に掻き消され、彼には届いていないようだった。
私は引っ張られたまま、人の波に揉まれている。腕が千切れそうな上に、かなりの息苦しさだ。
私は悲鳴を上げつつ窒息寸前な状態にまで陥っていたが、急に呼吸が楽になった。
気が付けばいつの間にか、人波が途切れている。どうやら最前列に辿り着いたようだ。
私は肩で荒い呼吸を繰り返しながら、乱れた髪と息を整えていた。
頭がグルグルして気持ち悪い……。
このような混雑には慣れていないため、もう既に人に酔ってしまったのかもしれない。
「あんた、知らないのかい。これからあの中心にいる騎士様たちが、何か大事なことを発表するらしいんだ」
男性は視線を逸らしながら早口でそれだけを答えると、逃げるように人混みの中へ消えていった。それを見送った後、ディーンは私たちのほうへ顔を向ける。
「どうやら騎士がこの村で、何か重大な発表をするらしいな」
「重大な発表とは何でしょうか〜。非常に気になります〜。では早速見に行きましょう〜」
エドの顔がぱあっと明るく輝いたと思った瞬間、有無を言わさず手を繋いだままの私と共に、群衆の中へと突っ込んでいったのである。
「ちょ……っ! エド!?」
慌てた私の声は喧騒に掻き消され、彼には届いていないようだった。
私は引っ張られたまま、人の波に揉まれている。腕が千切れそうな上に、かなりの息苦しさだ。
私は悲鳴を上げつつ窒息寸前な状態にまで陥っていたが、急に呼吸が楽になった。
気が付けばいつの間にか、人波が途切れている。どうやら最前列に辿り着いたようだ。
私は肩で荒い呼吸を繰り返しながら、乱れた髪と息を整えていた。
頭がグルグルして気持ち悪い……。
このような混雑には慣れていないため、もう既に人に酔ってしまったのかもしれない。