ゼロクエスト ~第2部 異なる者
父には、この旅を必ず成功させると約束して出てきた。
それを出だしから中途半端な形で、終わらせるわけにはいかない。
「だから、あんたたちもいいわね。
『モンスター・ミスト』の中に入ったことは、今後一切、誰にも言わないこと!」
私は二人に向き直ると、強く釘を刺す。
「う、うむ……致し方あるまい」
「わっかりましたぁ〜」
未だに何処か不服そうな態度のアレックスと、陽気な調子のエド。
実は二人には事前に、そのことを伝えてあった。
その時のアレックスは予想通りの反応で、
「嘘を付くのは英雄として、あるまじき行為だ!」
などと強く断ってきたのだが、私はそれを説き伏せることに成功している。
名付けて、『口先だけでアレックスを丸め込む作戦』!
彼の反応するであろう単語――リア(妹)、魔王、英雄…など――を会話の中へ随所盛り込み、大袈裟なハッタリなども噛ましつつ自然な流れで懐柔する、という戦法である。
因みに、この命名は私だ。
これはアレックスと付き合いの長いディーンが、よく使っている技である。
私も時々説得する時に使わせてもらっているのだが、勿論この戦法は単純で頭の固い、彼にしか通用しない。
それを出だしから中途半端な形で、終わらせるわけにはいかない。
「だから、あんたたちもいいわね。
『モンスター・ミスト』の中に入ったことは、今後一切、誰にも言わないこと!」
私は二人に向き直ると、強く釘を刺す。
「う、うむ……致し方あるまい」
「わっかりましたぁ〜」
未だに何処か不服そうな態度のアレックスと、陽気な調子のエド。
実は二人には事前に、そのことを伝えてあった。
その時のアレックスは予想通りの反応で、
「嘘を付くのは英雄として、あるまじき行為だ!」
などと強く断ってきたのだが、私はそれを説き伏せることに成功している。
名付けて、『口先だけでアレックスを丸め込む作戦』!
彼の反応するであろう単語――リア(妹)、魔王、英雄…など――を会話の中へ随所盛り込み、大袈裟なハッタリなども噛ましつつ自然な流れで懐柔する、という戦法である。
因みに、この命名は私だ。
これはアレックスと付き合いの長いディーンが、よく使っている技である。
私も時々説得する時に使わせてもらっているのだが、勿論この戦法は単純で頭の固い、彼にしか通用しない。