ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「騎士様たちがここに来たということは〜一体何の発表をするのでしょうか〜」

エドはあからさまに何かを期待している表情をしながら、中心にいるマクガレー団長に熱い視線を向けていた。彼はこの好奇心だけであの人混みの中、最前列まで移動してきたのである。

「えー、静粛にー!!!」

しばらくすると、騎士の一人が群衆に向かって大声で制した。

周囲のざわめきが、徐々に静かになっていく。それを確認した後、マクガレー団長は一歩前へ出てくる。

「私は王国第5騎士団所属、フランツ・マクガレーである。
現時点よりフィオス町間の街道を、一時的に封鎖することになった」

村中に行き渡るほどの、凛とした声だった。群衆が再びざわめきだす。だがマクガレー団長は構わずに続ける。

「これから説明する!」

その一声で、辺りがしんと静まり返った。

流石は一個小団を束ねるほどの騎士長である。威風堂々とした態度で、民衆を一瞬にして沈黙させたのだ。
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