ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「そそそうか……そういえばそうだな。
剣のことは魔王を倒した後にでも、謝罪するつもりではあったのだが」
アレックスの青ざめた顔からは大量の汗が噴き出し、両目が宙を泳ぎだしたかのように見える。
心なしか声が震え、目の焦点も定まっていないように思われた。
「しかし魔王を倒せずして、剣刃も欠けてしまった。
これを一体、どう説明すれば良いというのだ。
俺はその時の状況を何も憶えていない。説明のしようがないではないか」
彼は苦悶の表情で頭を抱え込むと、床へ崩れ落ちていった。
前にもこんな光景を見たような気もするが、これもやはりデジャヴだろうか。
(けどこれって一応、私のせい……に、なるのかな)
こんな状態のアレックスを見ていたら、何だか可哀想に思えてきた。罪悪感も少し、芽生えてくる。
彼らには刃の欠けた原因が『私』だということを、まだ告げてはいなかった。
何故なら何となく、話すタイミングを逃していたからだ。
ここで突然アレックスが、勢いよく立ち上がってきた。
瞳には既に、光も取り戻している。
剣のことは魔王を倒した後にでも、謝罪するつもりではあったのだが」
アレックスの青ざめた顔からは大量の汗が噴き出し、両目が宙を泳ぎだしたかのように見える。
心なしか声が震え、目の焦点も定まっていないように思われた。
「しかし魔王を倒せずして、剣刃も欠けてしまった。
これを一体、どう説明すれば良いというのだ。
俺はその時の状況を何も憶えていない。説明のしようがないではないか」
彼は苦悶の表情で頭を抱え込むと、床へ崩れ落ちていった。
前にもこんな光景を見たような気もするが、これもやはりデジャヴだろうか。
(けどこれって一応、私のせい……に、なるのかな)
こんな状態のアレックスを見ていたら、何だか可哀想に思えてきた。罪悪感も少し、芽生えてくる。
彼らには刃の欠けた原因が『私』だということを、まだ告げてはいなかった。
何故なら何となく、話すタイミングを逃していたからだ。
ここで突然アレックスが、勢いよく立ち上がってきた。
瞳には既に、光も取り戻している。