ゼロクエスト ~第2部 異なる者
最初はルティナを追ってきた者なのかとも思ったが、エリスは自分たちが標的だと言っていた。

だから彼は『精霊に選ばれし者』に対して、サラが送った刺客なのだと思っていたのだが。

「妾はあの小娘を追ってきた、卑しい者どもだと思っていたのだがな。
……だが、まあ良い。
それに関しては後でリチャードにでも、調べさせればすむことだ。
何れにせよ、貴様やあの小娘にもまだ利用価値はある。
だからこそ、あの娘にも刻印を施し、生かしているのだ」

「何故あの娘まで生かす必要がある。
俺を捕らえるために、瘴霊の種を使ってまで、な」

その言葉へ反応するかのように、サラは口端を上げた。

「何故……だと?
貴様こそ、わざと娘から攻撃をされるように、仕向けていたではないか。
もっとも、貴様のことだ。
娘が向かっていった時、『瘴霊の種』も一緒に破壊させようとしたのだろう。
あの能力なれば周囲の瘴気を排除し、本体へ到達することも可能だからな」

彼女は微笑を浮かべながら、ゼリューを見据えた。
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