ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「その後に貴様は自ら結界を消滅させ、自滅しようとしたのだろう。
だが残念だったな。
その目論見(もくろみ)は妾により直前で、見事潰(つい)えた。
とはいえ瘴霊の種は何れ、人間が処分することになるだろうが。
愚民とはいえ、それくらいの能力はあるだろうからな」

「人間でも簡単に処分できる欠陥品。
だがそれを生成するだけでも、お前の命は削られているはずだ。
なのに何故そこまでして、俺を捕らえようとした」

「アレは精霊を目覚めさせるのが目的だ。
決して貴様を誘き出すためではないわ。
それに貴様ごときのために、自らの魂を捧げたりはせぬ」

(やはりそうか)

ゼリューは自分の考えが正しかったことを確信していた。
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