ゼロクエスト ~第2部 異なる者
あの色を持つ者は、彼の記憶の中でも上位クラスの――とある一族だけである。
だが今までその一族が、人間の女に子を産ませたなどという話を聞いたことがなかった。
手に入るというのであれば、当然能力(ちから)は欲しい。
だが、それがもし事実だとするのなら、簡単に手を掛けることはできない。
何故なら中位が上位に刃向かうということは、自殺行為にも等しいからだ。
(何れにせよ今は、命令を完遂させることが先決)
魔族としての悪い癖が出たために、多少の寄り道をしてしまった。
しかしまだ目標の3人には、追いつけるはずだ。もしあの温泉村を既に出発していたとしても、行き先の手がかりくらいは掴めるだろう。
彼が目的地へ戻るために一歩を踏み出した時、頭上では羽音のようなものが聞こえてきた。
反射的に顔を上げる。
だが彼はソレを捉えることができなかった。
その前に、全身が炎で包まれていたのだ。
だが今までその一族が、人間の女に子を産ませたなどという話を聞いたことがなかった。
手に入るというのであれば、当然能力(ちから)は欲しい。
だが、それがもし事実だとするのなら、簡単に手を掛けることはできない。
何故なら中位が上位に刃向かうということは、自殺行為にも等しいからだ。
(何れにせよ今は、命令を完遂させることが先決)
魔族としての悪い癖が出たために、多少の寄り道をしてしまった。
しかしまだ目標の3人には、追いつけるはずだ。もしあの温泉村を既に出発していたとしても、行き先の手がかりくらいは掴めるだろう。
彼が目的地へ戻るために一歩を踏み出した時、頭上では羽音のようなものが聞こえてきた。
反射的に顔を上げる。
だが彼はソレを捉えることができなかった。
その前に、全身が炎で包まれていたのだ。