ゼロクエスト ~第2部 異なる者
第4節 ディーンの意思
私たちは日も暮れかけた頃になって、ようやくギルド前へ辿り着くことができたのだが。
「なんか……凄く混んでいるわね」
「皆さん〜ここで足止めされていますからね〜仕方ないです〜」
狭い屋内には術士たちが、すし詰め状態だった。しかも建物の周りにも人が溢れている。
ただの「足止め」ではない。そのような理由だけで特定の村へ大勢の者が、押し掛けてくるわけはないのだ。
これらの大半は恐らく、討伐隊参加希望者だろう。
この付近に魔物が大量発生しているということや、今日正式にギルドから発表があるという噂などを聞き付けて、事前に乗り込んできたとも考えられる。
討伐隊に参加するということは、特に傭兵を生業にしている旅人にとっては、路銀を稼ぐ一番の方法でもあるのだ。
「これでは温泉にも〜ゆっくり浸かることができませんね〜。物凄く〜楽しみにしていたのですが〜」
「あんた、入る気でいたのね」
「勿論です〜。折角他所で〜この村の温泉マップを手に入れたというのに〜非常に残念です〜」
エドは眉を顰めながら、青いマントの中から一枚の紙切れを取り出して見せた。
「なんか……凄く混んでいるわね」
「皆さん〜ここで足止めされていますからね〜仕方ないです〜」
狭い屋内には術士たちが、すし詰め状態だった。しかも建物の周りにも人が溢れている。
ただの「足止め」ではない。そのような理由だけで特定の村へ大勢の者が、押し掛けてくるわけはないのだ。
これらの大半は恐らく、討伐隊参加希望者だろう。
この付近に魔物が大量発生しているということや、今日正式にギルドから発表があるという噂などを聞き付けて、事前に乗り込んできたとも考えられる。
討伐隊に参加するということは、特に傭兵を生業にしている旅人にとっては、路銀を稼ぐ一番の方法でもあるのだ。
「これでは温泉にも〜ゆっくり浸かることができませんね〜。物凄く〜楽しみにしていたのですが〜」
「あんた、入る気でいたのね」
「勿論です〜。折角他所で〜この村の温泉マップを手に入れたというのに〜非常に残念です〜」
エドは眉を顰めながら、青いマントの中から一枚の紙切れを取り出して見せた。