ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「まだ仕留めていなかったのか、ボブ」
「ふ…それはこちらのセリフだ、レグ」
二人は並び、アレックスに向かって構えを崩さずに互いに声を掛けた。
「流石『精霊の加護』を受けた者だ。俺の攻撃を避け、よもやここまで逃げ果せるとはな」
エドを追ってきたボブと呼ばれた男が、苦虫を噛みつぶしたかのような目でこちらを睨んでいる。
「エド、あんたも攻撃されたの?」
「そうなのです〜。何故かあの人に〜殺されそうになったので〜ここまで必死に逃げてきたのですよ〜。それでようやくここで〜皆さんに再会できたのです〜」
必死に逃げて――。
そういえばエドは、逃げ足だけは速かったのだ。
しかし。
(あの人、今確かに『精霊の加護』って言ったわよね)
アレックスにだけある特殊能力。
今の話から察するに、その能力がエドにもあると、あの男は言っているのだ。
(なんであの人、そんな誤解を? それに)
その能力のことはアレックスの故郷の人間と、私たちのようなごく一部しか知らないはずである。
しかも普通なら精霊や魔王関連の話は、伝説としか受け取られていないはずだ。なのにこのボブという男も、それらを信じているということなのか。
「だがそれもここで終わりだ。貴様らには消えてもらう!」
「ふ…それはこちらのセリフだ、レグ」
二人は並び、アレックスに向かって構えを崩さずに互いに声を掛けた。
「流石『精霊の加護』を受けた者だ。俺の攻撃を避け、よもやここまで逃げ果せるとはな」
エドを追ってきたボブと呼ばれた男が、苦虫を噛みつぶしたかのような目でこちらを睨んでいる。
「エド、あんたも攻撃されたの?」
「そうなのです〜。何故かあの人に〜殺されそうになったので〜ここまで必死に逃げてきたのですよ〜。それでようやくここで〜皆さんに再会できたのです〜」
必死に逃げて――。
そういえばエドは、逃げ足だけは速かったのだ。
しかし。
(あの人、今確かに『精霊の加護』って言ったわよね)
アレックスにだけある特殊能力。
今の話から察するに、その能力がエドにもあると、あの男は言っているのだ。
(なんであの人、そんな誤解を? それに)
その能力のことはアレックスの故郷の人間と、私たちのようなごく一部しか知らないはずである。
しかも普通なら精霊や魔王関連の話は、伝説としか受け取られていないはずだ。なのにこのボブという男も、それらを信じているということなのか。
「だがそれもここで終わりだ。貴様らには消えてもらう!」