ゼロクエスト ~第2部 異なる者
私たちは表通りに向かって駆け出していた。
先頭にいたのは私だったのだが、外へ出たと思った瞬間、少し離れた先にいる二人の後ろ姿が目に飛び込んできた。
「エ、エ、エリスさんが〜突然消えました〜」
「何っ、また迷子か!?」
目の前で忽然と姿を消した私に驚いているのか、二人がその場で慌てふためいている。
「私なら、ここに居るわよ」
背後から静かに話し掛けると、彼らは幽霊にでも出遭ったかのような表情で更に驚いていた。その辺りに転がっている小石一つ分くらいは、確実に飛び上がっていると思う。
「さっきは前から外へ〜出て行ったはずです〜。なのに何故〜後ろにいるのですか〜?
エリスさん〜何か術を使ったのですか〜」
「む、そうなのか?
このような非常時に、冗談が過ぎるぞ」
「いや、私のせいじゃないから」
(というか寧ろ、あんたにだけはそんなことを言われたくないんだけど)
心の中でアレックスに対して文句を言いつつ、改めて表通りのほうへ歩み寄ると、外へ出る一歩手前で立ち止まった。
「多分、魔物の結界のせいでしょうね」
私はセピア色に変異した空を見上げながら言った。
先頭にいたのは私だったのだが、外へ出たと思った瞬間、少し離れた先にいる二人の後ろ姿が目に飛び込んできた。
「エ、エ、エリスさんが〜突然消えました〜」
「何っ、また迷子か!?」
目の前で忽然と姿を消した私に驚いているのか、二人がその場で慌てふためいている。
「私なら、ここに居るわよ」
背後から静かに話し掛けると、彼らは幽霊にでも出遭ったかのような表情で更に驚いていた。その辺りに転がっている小石一つ分くらいは、確実に飛び上がっていると思う。
「さっきは前から外へ〜出て行ったはずです〜。なのに何故〜後ろにいるのですか〜?
エリスさん〜何か術を使ったのですか〜」
「む、そうなのか?
このような非常時に、冗談が過ぎるぞ」
「いや、私のせいじゃないから」
(というか寧ろ、あんたにだけはそんなことを言われたくないんだけど)
心の中でアレックスに対して文句を言いつつ、改めて表通りのほうへ歩み寄ると、外へ出る一歩手前で立ち止まった。
「多分、魔物の結界のせいでしょうね」
私はセピア色に変異した空を見上げながら言った。