ゼロクエスト ~第2部 異なる者
何故会ったばかりの身も知らない彼女に、私たちがついて行かなければならないのだろうか。

それに「知らない人にはついて行くな」という言葉は、物心が付く前から言い聞かされている一般常識でもある。

「なんでって……あんたたち、狙われているんだろ?
あたしが守ってやる」

「は……え、えええええー???」

私は吃驚して思わず大きな声を上げてしまった。

確かに先程助けてくれたことには感謝しているし、ありがたいとも思う。

しかし初対面の私たちに対していきなり「守ってやる」など……そんなことを軽く言ってくるだなんて、普通だったら警戒するに決まっている。

私が無言で疑いの眼差しを向けていると、それに気付いた彼女はおもむろに眉を顰めた。

そして苛ついたような表情に変わると、少しクセのある錆色短髪を無造作に左手で掻き回す。

「ったく、分かったよ。
正直に言おう。
理由は3つだ」

私の言いたいことを察したのか、ルティナはそう言いながら左指を3本突き立てた。
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