ゼロクエスト ~第2部 異なる者
第2章 追跡者1(ルティナ編)
第1節 取引
それは近隣町で聞いた噂が発端だった。
『魔物が集まり始めた。討伐隊が近々編制されるらしい』
それがギルドを中心に流れていたのだ。
魔物ハンターであるあたしは当然の如く、その現場であるアクニカ村へ向かっていた。
だが途中で不意を突かれ、魔物に襲われてしまう。
そして魔物の口からその名を聞くことになろうとは、思ってもみなかったのだ。
◇ ◇ ◇
「貴様の目的――ゼリューを殺したいのだろう?」
襲ってきた魔物の女はあたしの顎を持ち上げると、耳元でこう囁いてきた。
それを聞いた瞬間、沸騰するのかと思うくらいに全身の血液がざわめき立った。
ゼリュー。
あたしが長年追い求めている魔物だ。
そしてヤツだけはあたしの手で、どうしても葬らねばならない。
それが魔物ハンターという職業を選んだ理由でもあった。
「貴様、一体何者だ?」
あたしは目の前にいる、真紅の瞳を持つ魔物の女を睨み付けた。
真紅――。
そう、ヤツの眼も真紅だった。
それによく見ればこの魔物、顔立ちがヤツに似ているではないか。
『魔物が集まり始めた。討伐隊が近々編制されるらしい』
それがギルドを中心に流れていたのだ。
魔物ハンターであるあたしは当然の如く、その現場であるアクニカ村へ向かっていた。
だが途中で不意を突かれ、魔物に襲われてしまう。
そして魔物の口からその名を聞くことになろうとは、思ってもみなかったのだ。
◇ ◇ ◇
「貴様の目的――ゼリューを殺したいのだろう?」
襲ってきた魔物の女はあたしの顎を持ち上げると、耳元でこう囁いてきた。
それを聞いた瞬間、沸騰するのかと思うくらいに全身の血液がざわめき立った。
ゼリュー。
あたしが長年追い求めている魔物だ。
そしてヤツだけはあたしの手で、どうしても葬らねばならない。
それが魔物ハンターという職業を選んだ理由でもあった。
「貴様、一体何者だ?」
あたしは目の前にいる、真紅の瞳を持つ魔物の女を睨み付けた。
真紅――。
そう、ヤツの眼も真紅だった。
それによく見ればこの魔物、顔立ちがヤツに似ているではないか。