ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「ヤツとはどういう関係だ」

そう問い掛けると目の前の魔物――先程サラと名乗っていたが――は、可笑しそうにクスクスと喉の奥で笑いながら、あたしから身体を離して立ち上がった。

「ゼリューは妾(わらわ)の兄だ」

魔族とヒトでは種族系統は違うが、生態系や容姿などは殆どの者が類似している。だからヤツに肉親が存在していたとしても、何ら不思議ではない。

「モンスター・ミストがこの近辺に現れたのは、知っているな?」

あたしがアクニカ村へ向かっているのは、魔物が集まっているという情報だけが理由ではなかった。

モンスター・ミスト。

これもあたしの目的だった。

「それを破壊する方法が見つかったとしたら、貴様はどうする?」

「な……んだと!?」

あたしは驚愕した。
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