ゼロクエスト ~第2部 異なる者
やはりあの中にはヤツが居る!
泉へ投石される波紋の如く「確信」の広がり始めていたあたしには、同様に高揚していく気持ちのほうが大きかった。
だがあたしは冷静さを崩すことなく、保ち続けていた。
「あたしにヤツを殺させる目的は何だ。ヤツは貴様の兄なのだろう?」
「妾たち魔族には、目先の近しい血縁者など意味を為さぬ。重要なのはその先にある、一族繁栄のみ。
ゼリューは我らにとって、その障害となる邪魔な存在なのだ。
我らが繁栄するためには、奴を確実に消さねばならぬ。ただそれだけこと」
あたしの問いに淡々と答えていたサラからは、何の感情も見られない。そこがやはりヒトとは違う。
魔族の中にもヒトと同じように、様々な種族がいる。
奴らにとって何よりも大事なことは、自分の一族が子々孫々まで繁栄することだ。
無論それはヒトでも同じ事であるが、ヒトよりも遥かにその気持ちが強い。
何故なら奴らの世界では、弱者は強者に絶対服従。奴らにとってのソレは、適者生存のための習性といっても過言ではないからだ。
「どうやら長話がすぎたようだな。そろそろ貴様の答えを聞かせてもらおうか。
妾の取引に応じるか。それともこの場での死か」
奴の有無を言わせぬ問い掛けが、あたしに直接向けられていた。
泉へ投石される波紋の如く「確信」の広がり始めていたあたしには、同様に高揚していく気持ちのほうが大きかった。
だがあたしは冷静さを崩すことなく、保ち続けていた。
「あたしにヤツを殺させる目的は何だ。ヤツは貴様の兄なのだろう?」
「妾たち魔族には、目先の近しい血縁者など意味を為さぬ。重要なのはその先にある、一族繁栄のみ。
ゼリューは我らにとって、その障害となる邪魔な存在なのだ。
我らが繁栄するためには、奴を確実に消さねばならぬ。ただそれだけこと」
あたしの問いに淡々と答えていたサラからは、何の感情も見られない。そこがやはりヒトとは違う。
魔族の中にもヒトと同じように、様々な種族がいる。
奴らにとって何よりも大事なことは、自分の一族が子々孫々まで繁栄することだ。
無論それはヒトでも同じ事であるが、ヒトよりも遥かにその気持ちが強い。
何故なら奴らの世界では、弱者は強者に絶対服従。奴らにとってのソレは、適者生存のための習性といっても過言ではないからだ。
「どうやら長話がすぎたようだな。そろそろ貴様の答えを聞かせてもらおうか。
妾の取引に応じるか。それともこの場での死か」
奴の有無を言わせぬ問い掛けが、あたしに直接向けられていた。