ゼロクエスト ~第2部 異なる者
「……………」



――何だあの、異様にキラキラした顔(モノ)は。





輝いて見えるのは恐らく、飛び散る汗が陽に照らされてそう見えているだけかもしれなかったが、遠目から見ても明らかに目立つ顔立ちだった。

が、しかし。

このパーティは4人だ。

もう一人、不気味な雰囲気を身に纏っている精霊術士がいた。フードを目深に被っており、見ただけでは性別を判断できないが、その背格好から男だと認識した。

4人パーティということは、サラの言っていた特徴と若干の違いがある。もしかしたら奴の話していたのは、此奴らではないのかもしれない。

(に、しても)

このパーティは一目見ただけでも、あまりバランスの取れているほうではなかった。

剣士の男は武器の持ち方、構え方も完璧だし、敵の繰り出す攻撃にも怯まず対応している。

一見すれば、ある程度の手練れにも見えるが、しかし全体的に無駄な動きのほうが多い。これでは直ぐに体力が尽きてしまうだろう。

精霊術士の男は、複数の属性を上手く組み合わせながら戦っていた。

こちらは全くといっていいほど無駄がなく、各属性の術を上手く組み合わせ、的確に使用している。

加えて仲間のフォローにも回っており、この中では一番場慣れしているようだ。そして恐らく一番強い。

もう一人の精霊術士の女――というより、まだ少女に見えるが――は、一応考えながら戦っているようにも見える。

しかし動きのほうは、まだかなりぎこちなかった。術の威力も中程度だ。

それらのことから判断すると、どうやら巡礼者のようであるから、能力が伸びるのはまだこれからといったところか。
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