ゼロクエスト ~第2部 異なる者
芸術士のほうは逃げてばかりいて、援護支援があまり上手くいっていない様子だ。
楽器を持っていることから考えると吟遊詩人のようだが、まだ上手く仲間のサポートが出来ていないのだろう。こちらも巡礼者のようだ。
総合的に見るならば、まだ発展途上中のパーティといったところかもしれない。
ベテランの前衛をあと一人くらい追加すれば、多少のバランスは取れそうな気もするが。
と、ここで、こちらに背を向けて一息吐いていた剣士が、突然振り向いた。
「アレックスさん〜どうかされましたか〜?」
「――む、いや……」
「ちょっと、あんたたち。突っ立ってないで、こっちも手伝ってよね!」
剣士はこちらを気にするような素振りで顔を向けながらも、前を歩いていた少女に促されるままに立ち去っていった。
まさかとは思うが、自分たちを見詰める視線に気付いたのだろうか。
側には感覚の鋭い芸術士も居たから、あたしは慎重に気配を消していたつもりだったのだが。
あたしは彼らが木々の向こうへ消えていくのを、この場で見送っていた。
この森を抜けた直ぐ先にアクニカ村がある。
あたしもそろそろ、出発しなければならない。
楽器を持っていることから考えると吟遊詩人のようだが、まだ上手く仲間のサポートが出来ていないのだろう。こちらも巡礼者のようだ。
総合的に見るならば、まだ発展途上中のパーティといったところかもしれない。
ベテランの前衛をあと一人くらい追加すれば、多少のバランスは取れそうな気もするが。
と、ここで、こちらに背を向けて一息吐いていた剣士が、突然振り向いた。
「アレックスさん〜どうかされましたか〜?」
「――む、いや……」
「ちょっと、あんたたち。突っ立ってないで、こっちも手伝ってよね!」
剣士はこちらを気にするような素振りで顔を向けながらも、前を歩いていた少女に促されるままに立ち去っていった。
まさかとは思うが、自分たちを見詰める視線に気付いたのだろうか。
側には感覚の鋭い芸術士も居たから、あたしは慎重に気配を消していたつもりだったのだが。
あたしは彼らが木々の向こうへ消えていくのを、この場で見送っていた。
この森を抜けた直ぐ先にアクニカ村がある。
あたしもそろそろ、出発しなければならない。