姫と王子のらぶらぶ日和。【完】
「ん・・んー・・?」



そして、姫がむくりと起き上がった




目を擦る姫を愛しいとは思えなかった




『なぁ姫、くうがって、誰?』




聞きたかったけれど、それには勇気が必要だった




姫とは、俺が強引に付き合ったに過ぎない




本当は、他に好きな奴がいたのかも知れない




そんなことを姫の口から聞いて、耐え切れる自身が欠片もない




俺は一体、どうすればいい?



「あっ・・。ごめんね、王子。私いつの間にか眠っちゃって・・」




微かに頬を赤らめて、照れたようにはにかむ姫




それに俺は、大丈夫、と短く素っ気無く返した







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