姫と王子のらぶらぶ日和。【完】
亀裂
「ねぇ、あんたうざいんだけど」


「死んでくんないかな、あたしたちのために」


....あなたが死んでください、私のために



私がこう心の中で悪態をつく原因は、まぎれもなく目の前にいる女子生徒達


私は今、体育館裏に来ていた


なぜ私がここにいるのかというと、それは三時間ほど前の昼休みにさかのぼる


私は、王子がいないので、仕方なく一人ぽつんと教室の自分の机でお弁当を食べていた


ただぼーっと、箸と口を動かしていた


そんなとき


「ねえ、金色さん。ちょっといいかしら?」


彼女たちがやってきたのだ


正直いって、すごく鬱陶しかった


今は一人にしてほしい


...っていうか、この人たちには一生私に近づいてほしくない


「・・なんですか?」


私がそう返すと、あいつらはにんまりと笑う


気持ち悪い、気色悪い、速く視界から消えて


私の思考回路が壊れた

なんだかいらいらする


足りない、足りない




王子が足りない


体が王子を求めてる
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