姫と王子のらぶらぶ日和。【完】
「放課後、体育館裏に来てくれる?」


「あ、もちろん、あんた一人でね」


「大丈夫でしょ、王子様はもうこいつと一緒じゃないんだから」


きゃはは、と笑い声が気これる


煩いな、さっさと出てってくれないかな


「わかりました」


行ってやるから早くあっち言って


「こいつ、王子様と別れたんでしょう?」


「ま、そうだろうと思ってたわよ」


「だって、こいつブスだもの」


....なんとでも言えばいい


だから早く、あっちに行って


「きっと愛想尽かされたんでしょうね」


「王子様、今度は私と付き合ってくれないかしら!!」


「あら駄目よ、私が付き合うんだもの」


「ちょっと待ちなさいよ、王子様はみんなのものだしょう?」


目の前で王子の話をする彼女たち


真中で大げさに笑っている一人が、ぎろりと私を見た


「じゃ、絶対来てね。王子様の元彼女、金色姫さん?」





そして彼女たちはでていった


私の胸には、微かな虚無感だけが残った


否定できない自分が


歯がゆくて、嫌気がさした


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