姫と王子のらぶらぶ日和。【完】
逃げなきゃ、逃げなきゃ!!


そう頭では思っているのに、足が思うように動かない


足を引きずって、腕を使って後ずさりするが、男たちの歩幅は大きくて、どんどん距離は短くなる


怖い、怖いよ


恐怖で体が震えて、手も上手く動かせなかった


助けて、誰か助けて


そう思って、再び私は考える


助けて?


私を助けてくれる人なんてどこにいるの?


唯一私を守ってくれた王子は、来てはくれない


私の腕が止まる


いくら逃げたって、抵抗したって、結局は何も変わらない



私の中の何かが、ぼろぼろに崩れていくような感覚がした
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