ただ空回り。
『by 吉永和輝 蓮見舞姫』
その部分を黙って見つめた。
「知ってるって!字、間違ってた?」
「あってるよ!」
笑ってそう返した。
自分の名前が特別な気がして、嬉しかった。
どうしようもなく嬉しい。
休み時間が終わるころ、弘毅が帰って来た。
それまで吉永とノートにラクガキを続けていた。
吉永の後ろに弘毅が立った。
「吉永・・・、後ろ」
私は弘毅を指差した。
「あ、やべ。帰る!」
吉永は自分の席に戻る。
そこから弘毅の反応を伺ってるようだった。
弘毅は無残な姿になったノートを見た。
「舞姫・・・・・・」
ゆっくりとした声で弘毅がつぶやいた。