ただ空回り。
「好きなら、あきらめられねぇだろ」
すぐに返事が返ってきた。
大好きなあなたの声。
耳に響いた。
「どうしても、叶わなくても?」
追い討ちをかけるように問う。
吉永は少し間を空けてから、
「好きなものは好き。それでいいんじゃねぇの?
わざわざあきらめることはないだろ」
「そっか」
吉永の答えを聞いて笑ってしまった。
吉永らしい。
「ねぇ、吉永」
私は椅子から立ち上がって黒板を見つめた。